「オンライントークイベント~『高次脳機能障害』を語ろう!~」の開催に向けて①

昨日より、web上でも「オンライントークイベント~『高次脳機能障害』を語ろう!~」についての情報発信をはじめました。

その反響たるや、私自身も驚いています。ふじみ野市以外の方からも申し込み・問い合わせ含めてすでに10件ほどいただいております。

今回の企画をより有意義なものにするため、また参加するかどうか迷っておられる方のためにも、サークルエコーがこれまで意見交換してきた内容を、2回にわけてご案内します。

一部、すでにホームページに掲載されているものとダブリがありますこと、お許しください。

第1回目は、高次脳機能障害における「重度」の考え方について。

サークルエコーは「重度」といわれる当事者が全体の7割ほどです。ただ「オンライントークイベント」を開催するにあたって、「われわれの考える『重度』とは何か」を整理する必要があるだろう、との提案があり、意見交換を行いました。

『重度』とは何か。

高次脳機能障害診断基準でも、各主要症状内で軽度・中度・重度の記載はあるものの、全体として、または生活とのかかわりの中での『重度』という記載は見当たりません。

にもかかわらず、これまでいろいろな方々から「重度の方はサークルエコーに聞いて」などと言われてきました。基準が明確に示されていない中、いつの間にか、われわれ家族会の発想が「医療寄り」になってしまい、「生活(社会生活・家庭生活)」という視点が蔑ろにされてしまっているように思えてなりません。

そこでサークルエコーとして高次脳機能障害における「重度」の判断基準を議論しました。  

結論は、「機軸は少なくとも4つ」あるということです。(もっとあるかもしれませんが)

そのうちひとつでも問題があるものは「重度」と認識すべきと考えます。

 <4つの機軸と、重度についての判断基準>    

  ①就労:不可(就労できない)    

  ②身体状況:ADL不十分(要全介助・一部介助)・失行    

  ③社会的行動:行動障害(暴力・奇行)・気分障害・発動性低下    

  ④コミュニケーション:意思疎通できない・判断できない、失語  

ここについては、まだまだ抽象的であるとともに、いろいろな見解があるかと思います。

時間があれば、徹底的な議論もありかもしれませんが、そもそも高次脳機能障害は「十人十色」であり、時に「一人十色」にもなります。そうした中で、今回の「オンライントークイベント」においては時間的な制約もあり、あくまで「サークルエコーの考え方」としてとどめておきたいと思います。

この点については、イベント初日の一番最初に説明しますが、高次脳機能障害における「重度」を一言でまとめると「ひとつひとつの行為が『びっくり』する・想像つかないもの」といえるのではないかと思います。

ご理解いただきたくお願い申し上げます。

重度者を抱える家族の事例を、これから始まる「オンライントークイベント」でご報告しご理解いただくと同時に、支援者の方々の日々のご苦労や疑問点などを共有することで、まずは少しでも問題点が浮き彫りになることを期待しております。