【情報提供】1/9 みらクルTV 高次脳機能障害特番(『てんかん』を正しく理解しよう)の内容
「『てんかん』を正しく理解しよう ~てんかんの基礎①~」
~中川栄二先生(国立精神・神経医療研究センター病院 特命副院長、てんかん診療部長、てんかんセンター長)のお話より~
1.てんかん患者の概況と問題
・国民100人に1人の割合(0.8~1.0%)
・特に最近は高齢者の割合が増えている(日本の特徴→今後世界的な特徴に)
→脳の神経にキズが付くと発症しやすくなる。高齢化のリスクのひとつ。
・高齢者患者が増えているにも関わらず、成人てんかんの専門医が少ない(全国で800人弱)
・てんかんに対する知識不足と偏見はまだまだ多い→社会進出を妨げる
・てんかんは障害ではなく特性
2.てんかんの特徴→発症形態の多様性・発症の併存性
・「てんかん=運動けいれん発作」ではない。
非運動けいれん発作の症状も多い→ダメージを受けた脳の部位によって様々な症状を示す
*添付をご参考ください。先生の話をもとにコマを作りました。
・「興奮性神経」と「抑制系神経」のバランスによって様々な症状が現れる
→通常は小児期に興奮系神経が多い。年齢とともに抑制系神経が増加。さらに成人期には
不要な神経の刈り込みが行われることで感情コントロールがスムーズとなる。
・ASD、ADHD、知的能力症、限局性学習症などとも関係が深い。
・てんかんの70-80%は1-2錠の薬で数年以内に落ち着く。
抑制できない→「難治性てんかん」
3.てんかん発作の対策(抑制と応急処置)
・規則正しい生活→特に睡眠は重要。寝不足は厳禁
・過労・ストレスは極力避ける。
・発症が増えるタイミングを理解する
季節の変わり目・気圧の変化に発症が多くなる傾向
日常生活では集中しているタイミングでの発症が多い。
→食事、排便・排尿、入浴(入浴時は要注意:てんかんによる死亡原因は溺死と窒息)
・対策としては、定期的な脳波検査・適切な投薬治療→継続的な眠気は薬があっていない
・発作時の正しい対応方法を理解すること。
×発作時、当事者の口にもの(ハンカチ・指など)を詰める
○身体を横にして呼吸しやすい状態にする
*てんかんがおさまっている状態を「消失」という。
→過去5年間に服薬して落ち着いている状態
完全に治癒したわけではない。火種が残っていることを理解し、上記内容に注意すること。
また、頻繁に起こってくると発生回路ができあがってしまうので注意が必要。
*中川先生の話はYouTubeにて確認できます。下記URLをクリックしてください。 https://www.youtube.com/watch?v=dEdkt-qOpGI