介護雑感② 介護ストレス対策 その1
今回から3回に分けて、「介護ストレス対策」について私見を述べさせていただきます。ひとつの引き出しとしてお聞きいただけたら幸いです。
介護ストレス対策としてよく言われるのは、「レスパイトケア」です。一時的に介護を忘れリフレッシュするため、介護の現場から離れるということですね。温泉や友人との食事を楽しみながらストレスを発散させる。とても大切なことですよね。
その一方で、日々の生活に組み込まれている介護に対するストレスを「継続的に緩和」させることも考えなければなりません。「それができれば苦労しない」と言われるでしょう。でも、それができなければ、ゆっくりと温泉や友達との語らいを心から楽しむことも難しいのではないでしょうか。
ポイントは、「介護を理解すること」「介護の苦労を分かち合うこと」「別の視点から介護を考えること」という3つのアプローチを理解することです。
「介護を理解すること」とは病気についての知識取得は当然のこととして、介護全体の流れや制度について介護発生後速やかに理解するということです。
とは言っても、介護発生時は余裕がありません。驚きや悲しみの中、不安でいっぱいなのが普通です。かくいう私も家内が倒れた当初はとても考えられませんでした。しかし、いろいろな方からのアドバイスや自分自身の反省などを考える中から、介護発生時の動きこそが後の介護生活の大きなポイントになる、という結論にいたっています。
それではどう動くべきか。まず「Know Who(〇〇の問題は誰に聞けばよいか)」を早くとらえることです。その上で、関係部署に相談され、一日も早く不安解消できる環境を作ることをお勧めします。介護は地域包括支援センター(介護計画はケアマネジャー)、障害は相談支援センター、入院・転院・リハビリは病院のソーシャルワーカー、生活支援は行政・福祉事務所・社会福祉協議会などになるかと思います。会社にお勤めの方であれば、人事部、健康保険組合、労働組合などから働き方や補助などについてアドバイスいただけると思います。私の場合は、時短勤務→介護休暇→介護休職→復職→介護離職という形となりましたが、会社の方には働き方について多面的にアドバイスをいただき、とても感謝しております。
介護戦略といったら大袈裟ですが、いろいろな方の支援を受けながら、早期に仕組みを構築し、環境が変わったら修正するということが介護ストレスを緩和させる大きなポイントになると思います。そして、なにより介護は自分一人で行うものではないということも忘れないでいただきたいと思います。