ぼっくすブログ Vol.3

介護ストレスについての拙文が12/5朝日新聞朝刊の読者投稿欄「声」に掲載されました。

ご覧ください。

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介護ストレスに「達成感」が効く

 家族介護者教室主宰 玉木和彦(埼玉県 59)

  「もうお前とは一緒に暮らせない!」。

高次脳機能障害の妻の、夜間の頻尿・失禁に我慢できず、口から出た言葉である。頻繁な時は1~2時間おきに起こされる。障害のせいと分かっていても、何度同じ言葉を浴びせたことか。その度に妻が見せる悲しそうな顔。翌朝には強烈な自己嫌悪に陥る。

  同居する家族が主な介護者である割合は、介護者全体の約6割に上るという。「介護ストレスは信頼できる人に吐き出すべきだ」と聞く。私も話を聞いてもらうことでずいぶん救われてきた。だが、介護者自身が「達成感」を作ることも重要だと考える。

  趣味でも資格勉強でも、ゲームでもいい。大小にかかわらず「やった!」という喜びを実感し、そのプロセスを楽しむこと。そんな達成感作りが、介護ストレス緩和策として注目されればと思う。

  私自身も園芸の趣味を更に深め、花と緑のある暮らしを演出するつもりだ。より前向きな人生につながればと思っている。

もう妻の悲しい顔は見たくないから。