「超高齢社会」と「ネット社会」

「超高齢社会」と「ネット社会」。

昨日までは、ある意味で相反するワードと理解していました。

現在、主宰している家族会のコミュニケーション促進のためにWeb会議システム「ZOOM」の活用実験を行っています。当初「高齢者にはそんな難しそうなことは無理だ」と会員の方々(ほとんどが高齢者)からブーイングを浴びました。しかし、誰も参加しなくても毎週のように実験の準備は行いました。その結果、日を追うごとに、一人、二人と恐る恐る参加される方が増え、今では主要運営メンバーのほとんどが参加されています。

とは言っても、「端末の操作性」「(専門)用語」「エラー発生時の対応」など、微妙な難しさはまだまだ感じておられるようです。意外に思ったのは、スマホのタッチパネルにまだ慣れていない方が多いということ。タッチが弱かったり、場所が微妙に違っていたりで正しい反応にならない→焦る・あわてる→あきらめる。当初は活用の第一歩から難航していました。

「正直言って無理なのかな」と思っていたところ、やはりうちの会員の方々はすばらしい。いろいろチャレンジされています。ご自分でZOOMを操作されたり、不明な点についてはメールや電話で問い合わせをいただいたり。それを受けてこちらも書籍にあった参考資料をコピーしたり、わかりやすい表現で説明したり。可能な限りのアクションを行いました。

そんな努力が徐々に実りつつあるように感じています。

少しづつでも覚えることで会員のみなさんの自信になってきているように思います。

すでに、事務的な相談はZOOMで行っています。

これまでは「ネットは無理」との先入観から、ちょっとしたアクシデントに気持ちが萎えてしまいがちでした。大切なのは、リテラシーにつながるモチベーションではないでしょうか。「てきることの楽しさ」を実感できれば、それが意欲につながり、そして知識につながります。さらにはそこから新しい知恵が生まれるものと思います。

試行錯誤しながらも、一歩一歩理解度が増している会員の方々。

恐らく、ご苦労されながら会得してきた経験から、高齢者はどういうところがわかりにくいかという「不明のツボ」を熟知されています。したがって、同じご高齢の方に対しては、こちらが教えるよりもうまく教えることができるのではないかと思います。

「会得プロセスによる経験知」の「教育アプローチとの連携」とでもいうのでしょうか。

裾野の広いネット社会におけるあまたの可能性を意味している気がしてなりません。

「できることの楽しさ」をうまく体感さえできれば、「超高齢社会」と「ネット社会」という言葉、もはや相反するワードではないと強く感じています。

今後の「おおい元気ぼっくす」の運営にも活用できる考え方と理解しています。